幻の名古屋めし「松月」を求めて…@つる岡(名古屋市中区千代田)

Red List Restaurant

本日(2025.8)は名古屋市中区千代田にある”つる岡”さんにお邪魔しました。
つる岡(Instagram

松月とは

松月とは(絶滅危惧メニューNo.3)
尾張名古屋には、今や絶滅危惧種となってしまった幻のメニューがあります。その名も「松月」。

うどんの種物の一つで、白い出汁のつゆに、卵を月、板海苔を松に見立てて盛り付けた風情ある一杯。しかし、令和の今、この呼称を知る人は少なく、大半のお店では「月見うどん」の名で提供されています。もはやネットで検索しても情報がほとんど見つからない、まさに幻のメニューとなっていました。

そんなある日、真ん中の娘が「月見うどんが食べたい!」と言い出しました。 これはチャンスとばかりに「月見!?OK!松月でいいよね!」と、グーグル検索を開始。「つる岡 松月」と画像検索をかけると、どうやら幻のメニューがあるらしい!期待に胸を膨らませて、初めてお店を訪れることにしました。

つる岡

つる岡さんの駐車場に車を停めると、ふわっと食欲をそそるカレーの香りが。店頭のメニューを見ると、カレーうどんが全面的に売り出されています。他のメニューももちろんありますが、肝心の「松月」の文字が見当たりません。時刻はすでに13時を回り、松月を探すには心細い時間。

「まあ、月見うどんで娘は納得するだろうし、お父さんの胃袋はすでにカレーうどんを求めている…」まあなんとかなるだろうと入店。

カウンターメインの店内。二席しかない小上がりを陣取ります。
お茶にお水が出てくるお店も今では少なくなりましたね。アタクシがred lisit restaurant(絶滅危惧食堂)をほっつき歩き始めた頃はまたけっこうあったんですけどね。

落ち着いて店内のメニューを確認。やはり「松月」の文字はありません。
ダメ元でお姉さんに「すみません、松月はないんですか?子どもが月見うどんを食べたいらしくて」と尋ねてみました。すると、「松月は今やってないんです。でも、天ぷらうどんが白いつゆなので、それに生卵をトッピングすれば松月に近くなりますよ」と、素敵な提案をしてくださいました。こちらのカレーうどん以外のメニューはつる岡うどん(醤油ベースの茶色い汁)、天ぷらうどん(白だし)。名古屋のうどん屋さんって大変ですよね。出汁も複数あるし、麺も複数あるんだから…。そんな大変な名古屋麺類食堂なんですが、娘のために親としての図々しさを発揮してしまいます。

「それならば!天ぷらうどんの海老天、大根おろし、三つ葉を別皿で!生卵をトッピングしてください!」

初訪問のお店!更にランチタイムにも関わらず、ずいぶん細かな注文をしてしまいましたが、お姉さんは嫌な顔一つせず、優しく丁寧に対応してくださいました。

絶滅したはずの「松月」が目の前に!

そして目の前に現れたのが、こちらの一杯。間違いなく松月です!

出汁は白つゆ、海苔は松、軽く固まった白身はまるで朧月夜のよう。三つ葉は入っていてもいい気がしましたが、何せ子どもの注文なのでこれで完璧です。このお店では絶滅してしまったメニューを、店員さんの機転と優しさのおかげでしっかり味あわせていただきました。

看板メニューのカレーうどんは、さらに絶品だった

基本的に初訪問のお店では、看板メニューをいただくのが私の流儀。つる岡さんの看板はカレーうどんです。
「カレーうどんとライスをお願いします!」「あつあつでいい?」との質問に、もちろんです!と即答。つる岡さんでは、つゆとうどんの温度が指定できるようです。

そして提供されたのが、牛肉の旨味が溶け込んだ熱々のカレーうどん。沢庵がついているってのも、また昔ながらのサービスです。

名古屋のカレーうどんにしては細い麺でしたが、つるつるなのにしっかりとルーを引き上げる不思議な食感。麺をズビズビ、ズバズバとあっという間に完食です。

そして禁断のワンプレートを作り、残ったルーをご飯と一緒にレンゲでかき込む…嗚呼、うめぇい!
やっぱり名古屋のカレーうどんは、ここまでやって完成です。

以前は松月も、きしめんや蕎麦もあったというつる岡さん。絶滅してしまったメニューを、今もこうして再現してくださる温かさに感動しました。

帰り際には、子供に飴をくださり、「お父さんもどうぞ!」っとの誘いを素直に従ってしまいました。
「めちゃくちゃいい店だなぁ~!」ってのが率直な感想。味がいいのも素晴らしいんですが、定員さんたちのホスピタリティーとサービスに脱帽してしまいました。

つる岡(Instagram
052-261-4555
名古屋市中区千代田二丁目8番17号
営業:10:30(土・祝)11:00~14:00
定休:日

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