本日(202206)は愛知県清須市新清洲にあるいせ徳さんにお邪魔しました。
いせ徳HP
夏になるとアタクシの動線に現れる「いせ徳」さん。
おむつの取れてない2歳の子供をプールに入れようと思うと、どうしてもアルコ清州がメインになりまして、清州に来たら信長ではなく「いせ徳」になってしまうんですよね。
創業120年という老舗のいせ徳さんのメニューは書物ですな。
東海のうどん屋さんの歴史を感じさせます。
昔々の名古屋の夏は「松月」一択と勝手に思っているアタクシ。
まずはとりビー。付け出しが出てくるってのが嬉しいじゃありませんか!
子供が妙に食う串カツ。
この日もお手を煩わせてお代わりもしやがった…。
「お父さんの物はお父さんの!!」なんて子供とじゃれ合っているうちにきしめんが提供されます。
ザ・ベーシックですな。
うどんやラーメンに若芽が入り始めたのは1980年くらいだったんじゃないだろうか?お爺ちゃんが「あそこん家はケチってるからほうれん草じゃなくて若芽入れるんだ!」っとぼやいていたのを覚えている。っが、流行もあったんじゃないかな!?今やペヤングで全国区になったまるか食品がペヤングわかめラーメン、エースコックがわかめラーメンを大ヒットさせたのは思い出深い。「お前は何処の若芽じゃ!?」なんて石立鉄男さんを偲んでみる…。
冷やし中華。
特筆するのは、マヨネーズとカラシが添えられていることでしょうね。
冷やし中華にマヨネーズを商用ベースに乗せたのはスガキヤと言われていますが、どうなんでしょうね?
こんな感じで街のうどん屋さんから出てきたんじゃないでしょうか!?
名古屋には酸味のある料理が少なく、冷やし中華のスープの酸味を抑えるためにマヨネーズをつけ始めたって話ですがね。外様のアタクシには知る由もない訳ですよ。
お子様の親子丼。
三つ葉はお父さんの!っと取り上げてつまみといたします。
「三つ葉が無ければ…」って訳ではありませんが、出汁が旨けりゃ料理は美味い訳ですよ!
そして「名古屋の夏!松月の夏!!」。
ネギが別皿ってのも愛知県らしいですな。淡い白出汁にはネギの刺激が強すぎたりするんですよね。
海苔は板海苔、卵は朧月夜。ビジュアルが申し分ないですな。
「松月」と謳えば、台はうどんってのも素敵です。やはり嗜好品は呼称も味のうち。
白出汁は体に沁み込むようですし、つるつるとしたうどんは食欲のなくなる夏でも胃の腑へどんどん落ちていきます。ちょいと卵を崩してうどんに絡め、海苔を割ってうどんをつつむ。卵の溶けた白出汁を名残惜しく飲み下す。
やっぱり「名古屋の夏!松月の夏!!」ですよ!!是非ご賞味あれ!!!
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松月メモ。
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東海圏内のうどんの種物。
汁は白汁。板海苔の上に卵を落としたもの。卵は白身が少し白くなる程度加熱、もしくは熱い出汁をかけ朧月夜って感じにするのが好ましい。
卵を月、板海苔を松に見立てたことが呼称の由来。かまぼこや青菜が入ることがあるが、東海では「かけ(素)」が無いことを考えると呼称に影響を及ぼしたとは考えにくい。花巻の卵入りという訳ではないので、海苔は板海苔が正式だと考えられる。
昭和初期には東海の多数の麺類食堂で提供されていた。卵の価値と共に格下げが続き、今や絶滅危惧メニュー。令和2年の東海でも「月見」という呼称が一般的。
松月食歴
福田屋202101:刻み海苔、鶏肉、椎茸、花麩、ナルト
新海202011:四角海苔、かまぼこ、青菜、メニューに掲載なし
みやこ本店202010:四角海苔、青菜
みのや本店202010:刻み海苔、青菜、焼きかまぼこ、花麩
浅ひろ本店202010:三角海苔、青菜、かまぼこ、メニューに松月(月見)と記載
新角屋202007:三角海苔、青菜、メニューに掲載なし
山田屋202005:四角海苔、青菜
岩正202005:刻み海苔、青菜、かまぼこ
かどふく本店201806:四角海苔、青菜、かまぼこ、花麩、椎茸
いせ徳202105:四角板海苔(刻みねぎ別皿)
やなぎや本店202106:小さい四角海苔、かまぼこ、青菜
未訪問店
メニュー掲載
初味屋(名古屋市南区大磯通):板海苔
きくのや(名古屋市緑区曽根):刻み海苔、かまぼこ、花麩、椎茸
月見表記orメニュー非掲載
釜揚きしめん一八(名古屋市南区大江):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
三浦屋(名古屋市東区出来町):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
岐阜、三重にメニュー掲載で提供するお店あり。
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訪問履歴
串カツ、きしめん定食、味噌煮込みうどん@いせ徳202207
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