宮きしめん伊兵衛202305＠愛知県名古屋市熱田区沢上

本日（202305）は名古屋市熱田区沢上にある宮きしめん伊兵衛さんにお邪魔しました。

「きしめんってどんなもの！？」愛知県在住１０年を超えるアタクシが、地元に帰った時に聞かれると非常に困る質問である。もっともそんな質問する奴は稀ですがね…。
麺としては「厚さ1mm、幅7から8mmほどの平たいうどん」となっているようだ。きしめん愛知県 | うちの郷土料理by農林水産省。
日本農林規格（JAS）は乾めん類品質表示基準に「幅を4.5mm以上とし、かつ、厚さを2.0mm未満の帯状に成形したものにあっては「干しひらめん」、「ひらめん」、「きしめん」又は「ひもかわ」と記載することができると記してある。
つまりは幅広の麺をきしめんと言うらしい。
っが、これがいまいち納得のいかないアタクシ…。愛知県でも昔っから幅の広いきしめんも厚みのあるきしめんも提供されているし、幅広の麺なら、「ひらめん」、「ひもかわ」、「ほうとう」と呼称は違えど地方の地場の麺がある。アタクシの地元で最近幅を利かせている川幅うどんなんてものもありまして、麺の幅だけできしめんを定義するにはちょいと弱い気がしている。
実はきしめんには「素」が無い。きしめんを提供する店で、「きしめんください」と注文すれば、ムロアジ節の出汁を溜り醤油で味付けした温かい汁にきしめんが入り、油揚げ、蒲鉾、青菜が乗り、花かつおがどっさりかかったものが提供される。
うどん屋に行ってうどんと言っても、「ざる！？かけ！？何載せる！？」っと言われるのは御承知の通りだと思う。つまりは「うどん、そば」は麺自体の名前であって、「きしめん」ってのはきしめんの麺を使った料理の名称だと考えてしまうのは、アタクシのヤコシイ性格のせいだからなのかしらん！？
ネットできしめんを検索すると、汁はムロアジで取った出汁にたまり醤油で味付けってのは良く出てきて、「いいぞ！いいぞ！」っと思うのだが、具は鰹節・ネギ・油揚げ・”鶏肉！？”ってのが良く出てくる。アタクシは愛知県できしめんをいくつか食べましたが、鶏肉が乗って出てきたことはない…。さらにレシピは散々たる結果となる。唯一アタクシが認められるのは愛知県庁のHPのレシピである。
正直愛知県民はあまりきしめんに拘りが無いのが事実だろう。他の県同様昔から地場にあった麺よりラーメンに讃岐うどんを食べるようになっているし、愛知県の麺類文化は広大で深淵であり、盛者必衰なもので…、「きしめん！？しばらく食べてないなぁ～。新幹線のホームで食べれば！？」ってのがホントの所なのである。

きしめんの復権を得るべく立ち上がる老舗麺類店主、新進気鋭の料理人もいることはいるんだが…、愛知県の麺類文化ってのが、進化したがる傾向がありまして、きしめん自体を磨き上げることはなく、足して混ぜて新たな試みを続ける方が多くて…、昔ながらのきしめん好きとは異なったベクトルで今なお進化していたりする。

そんな定義することが難しいきしめんですが、こちら宮きしめんは熱田さんの境内に店を構えるってこともあり、昔ながらのきしめんを提供し続けていてくれる。名古屋嬢の奥さんは「いちばんベーシックなきしめん」っと評している。

そんな訳で日常の「きしめん」を頂くべく、やってきました宮きしめん。

宮きしめんさんはお土産のイメージが強いのだが、飲食できる店舗もあり、令和５年５月現在HPに乗っているお店は８店舗。
本日は名古屋市熱田区にある伊兵衛（いひょうえ）店にお邪魔しました。
表通りに面しているのは販売所でして。

裏に回るとちょいと活かした門構えのお店があります。
ハレの日用のきしめんってのも聞いたことはないんですが、コース料理も座敷もあり、法事や接待に使っている方も多そうですね。
この日は団体さんが多く、結構待たされましたね。予約することをお勧めします。

大人には熱いお茶、子供には温いお茶が提供されまして。

お父さんにはビールが提供されます。やっぱハレの日はお清めしなきゃいけない日本人ですな。
ゆっくりメニューを眺めます。
宮きしめん伊兵衛メニュー

お子様にはキッズプレート（きしめん付き）
おまけのようについているきしめんがしっかりしてますな。三種の神器も揃っております。

大姉ちゃんは伊兵衛定食。
きしめん定食ってネギ別皿ってことは多いんですが、花かつおが別皿ってのは珍しいですね。
大人のきしめんには三種の神器に、これぞ宮きしめんといった椎茸が嬉しいですな。
麺はきしめんにしては厚みのあるもの。幅もそう広い訳ではなく、うどんと提供されても「そうなんだろうな」って感じなんだが。しっかりムロアジ節の出汁に癖のない溜り醤油の味付け。これがデフォルト、これがベーシックなきしめんってのは納得できる。