浅ひろ本店202307@名古屋市中区大須

Red List Restaurant

本日(20230)は名古屋市中区大須にある浅ひろ本店さんにお邪魔しました。

実に1年ぶりの訪問となるんですね。
熱い名古屋の夏!名古屋場所の夏!松月の夏!!っと言いながら、名古屋場所は尻つぼみって感じで終わりまして…。
来年まで鬢つけ油の香りが無くなるのはさみしいですなぁ~。来年はこの幟もどうなっていることやら。

閑話休題
名古屋場所の夏が終われば、松月の夏ですよ!アッツイ名古屋は体に沁み込むような白出汁に、へばった体を癒す卵に海苔のミネラルが必要なんです!

そんな訳で名古屋大須に来たわけです。
大須と言えば、大須観音の門前町で、歴史ある老舗から、最新の得体のしれない店…、古着店や雑貨店、パソコンショップ、ディスカウントショップ、メイド喫茶やアニメショップのある、実に名古屋らしい大須商店街がありまして、名古屋観光に来たら是非一度足を運んでいただきたい場所なのである。

まあこの時期なら武蔵丸関を見に来てもらいたい場所なのである。
この日は千秋楽の昼。稽古場には誰もいないのは当たり前ですな。
稽古場に防犯カメラ作動中の看板があるってのは…、どんな方々が集う場所か察していただけると幸いです。

そして武蔵川部屋の稽古場から道を挟んだ場所にある浅ひろ本店。奥に見えるのはコンパル本店。
相撲好き、松月好きコンパル好きのアタクシには夢のようなロケーションである。

昔っからのお客さんに、カラフルな髪色の若い衆が入り乱れる店内。
昼時にはいつも待ちがあります。
店内の椅子で待ちながら、本日のメニューを考える。

もっともアタクシは松月一本なんですがね。

テーブル席に案内されまして、基本調味料を眺める。
麺類食堂には七味と胡椒が無きゃいけません。

ナニワトモアレ一杯いただきます。
焼き海苔と漬物盛合せ。流石に焙炉には入ってませんでしたね。漬物は3種盛りでご満悦なアタクシ。

奥様は中華そば。
こちら溜り醤油のスープにチャーシュー、シナチク、かまぼこ、もやしに刻み葱。愛知県の麺類食堂のラーメンは具だくさんなのである。
麺のゆで加減も上々ですが、やっぱりスープが旨いですな。
胡椒をパラリと振ると、甘目のスープに一本芯が通り旨いんですよね。やっぱり麺類食堂に胡椒は必要である。

お子様no.1は親子丼。ご飯は少なめにしていただいております。
この溜り醤油を使った濃い目の色が良いんですよね。見た目ほど味は濃くないのが不思議である。

お子様no.2とno.3はきしめん。
もう見た目がきしめんのお手本のようなきしめんである。
蒲鉾、油揚げ、刻みねぎに花かつおどっさり。
名古屋クリムゾンの出汁に厚めの柔らかい麺は常連さんの好みなんだろうな。やっぱり幅や厚みできしめんを定義してはいけないと思う。

アタクシは松月一本やり。
メニューに「松月うどん(月見)」とあるが、「松月」とコールすると「松月うどんイチぃ~」っとオーダーが入るので良しとする。
何せこちらは老若男女入り乱れるお店。松月なんて呼称を知っている人も少なくなっているのだから。

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松月とは
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東海圏内の”うどん”の種物。
汁は白汁。板海苔の上に卵を落としたもの。
卵を月、板海苔を松に見立てたことが呼称の由来。
かまぼこや青菜が入ることがあるが、東海では「かけ(素)」が無いことを考えると呼称に影響を及ぼしたとは考えにくい。花巻の卵入りという訳ではないので、海苔は板海苔が正式だと考えられる。
昭和初期には東海の多数の麺類食堂で提供されていた。卵の価値と共に格下げが続き、今や絶滅危惧メニュー。令和5年の東海でも卵を落とした麺類は「月見」という呼称が一般的。

松月食歴
かどふく本店201806:四角海苔、青菜、かまぼこ、花麩、椎茸
福田屋202101:刻み海苔、鶏肉、椎茸、花麩、ナルト
新海202011:四角海苔、かまぼこ、青菜、メニューに掲載なし
みやこ本店202010:四角海苔、青菜
みのや本店202010:刻み海苔、青菜、焼きかまぼこ、花麩
浅ひろ本店202208:三角海苔、青菜、かまぼこ、メニューに松月(月見)と記載
新角屋202007:三角海苔、青菜、メニューに掲載なし
山田屋202005:四角海苔、青菜
岩正202005:刻み海苔、青菜、かまぼこ
いせ徳202306:四角板海苔(刻みねぎ別皿)
やなぎや本店202106:小さい四角海苔、かまぼこ、青菜
戸田屋200307:小さめの四角海苔、かまぼこ、青菜、メニューに松月の記載はないが、お献立には表記あり
西川屋202307:刻み海苔、かまぼこ、花麩、刻みねぎ、R5.7メニューに掲載なし。

未訪問店
メニュー掲載
初味屋(名古屋市南区大磯通):板海苔
きくのや(名古屋市緑区曽根):刻み海苔、かまぼこ、花麩、椎茸
月見表記orメニュー非掲載
釜揚きしめん一八(名古屋市南区大江):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
三浦屋(名古屋市東区出来町):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
岐阜、三重にメニュー掲載で提供するお店あり。
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さて浅ひろさんの松月は、白出汁に三角海苔を載せ、卵を浮かべる。かまぼこと青菜は、サービス過剰の名古屋スタイル。これがベーシック、これが本物ってな松月ですな。
汗をかき干からびた体に沁み渡る白出汁を一口二口頂きほっとする。麺を一箸二箸つまんで食欲を取り戻す。海苔を割ってうどんに巻いたり、麺をかまぼこや青菜と合わせて咀嚼したり、ちょいと崩した卵を絡めて口に放り込み元気を回復する。具も麺も無くなり、丼に残る卵の溶けた白出汁をエナジードリンクのように飲み下す。
やっぱり名古屋の熱い夏には松月なのである。

ご馳走様でした。

訪問履歴
味噌煮込み、中華そば、きしめん、松月@浅ひろ202206

松月@浅ひろ本店202010
鍋焼きうどん、中華そば、木の葉丼@浅ひろ本店201502

052-241-5678
愛知県名古屋市中区大須3-20-21
営業:11:30~20:00
定休:月

さて大須を散策いたします。

コメント

  1. つきじろう より:

    名古屋の熱い夏・・・新幹線の扉が開いたとき、まるで別の惑星に来たかのような熱風に吹かれた瞬間を思い出します☆

    東海グルメの絶滅危惧種、松月ですか。初めて知ったので興味深く拝読しました。
    美味しそうですねぇ~!・・・ただ、暑い日には少々ハードル高そうですが(汗

    ワタシは、まずビールとお新香と焼き海苔でいいかな。
    それにしても焼き海苔!!、サービス良すぎで枚数が多すぎませんか!?

    ところで「板海苔を台にして、そこに玉子を」というスタイルについて。
    江戸スタイルの蕎麦では、月見ではなく、かき玉汁のように溶いて加熱した玉子を使う「玉子とじ蕎麦」があるのですが。

    しかしコレ、蕎麦マニア必読の書である漫画『そばもん』第7巻では、湯切りした蕎麦を丼に入れ、そこに板海苔を敷いて、これを台として、その上に前述の玉子とお汁をかけるもの、と解説されています。

    しかし実際には現在、ネットで「玉子とじ蕎麦」を検索すると、海苔を台にするレシピは皆無に近く、ほとんどが熱い汁蕎麦に加熱した溶き卵をかけて、最後に「刻み海苔や、ちぎった海苔、あるいは板海苔をトッピングする」というものばかり・・・

    「この台が無いと、せっかくの玉子が沈んでしまいます」とは主人公のセリフ。
    はたして板海苔の台は、ありや無しや・・・

    すみません、長い余談で失礼しました。
    余談ついでに付け加えますと、きしめんの「花かつお」。
    これ、大阪うどん人の視点からは「とろろ昆布」に見えて仕方がありません!(笑

    • hal9000se より:

      つきじろうさん、おはようございます。
      焼き海苔の量はびっくりしましたね。流石サービス過剰な愛知県と思いました。
      ちなみに愛知県にはお蕎麦屋さんでも、焼き海苔を提供するお店は少ないですね。
      たまに焼き海苔を見つけると、こんな量が出てきたり、納豆がついて出てきたりします。

      松月は絶滅危惧メニューですね。既に提供している店も少ないですし、ネットにも情報が少ないですね。
      熱い名古屋の夏を乗り切るためには、ロッキーがジョッキで生卵を飲んだように、丼で玉子の溶けた白汁をごくごく飲むってのが必要なんですよ(笑
      是非ご賞味あれ。

      ちなみに板海苔の台は、しっかりした海苔なら”あり”、心もとない海苔だと”なし”って見解のアタクシです。
      「海苔の値段は落とせない。」なんて言う人は少なくなりましたね。

      コメント!?お手紙!?ありがとうございます。

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