本日(202203)は三重県桑名市三ツ矢橋にあるよしむら屋さんにお邪魔しました。
実はこの日、イオンシネマ桑名に奥さんとお姉ちゃんズを置いてきまして、妹ちゃんと二人でデート。
男の行きたいデートスポットは女受けしないってのはよく分かっておりますが、お父ちゃんの狙いは松月でして…、妹ちゃんもしゃべれるようになったら拒否するかもしれませんな…。
イオンは家族に優しい企業ってのは後の話にいたしまして、本日のお題は「松月」。
「松月」ってのはうどんの種物の呼称でして、白出汁のうどんに板海苔を載せまして、その上に卵を落としたものでして、海苔を松、卵を月に見たて、その名を松月!っと、なんとも粋な名前なのであります。
っが、令和4年の今、名古屋でも「月見」って呼称が幅を利かせていて、近いうちextinctすると予想されております。
アタクシにとって食べ歩きってのは栄養補給の意味合いよりも、嗜好品の意味が強いものでして、嗜好品ってものは、雰囲気に左右されるもので、たどり着くまでの過程、店の雰囲気、客層、値段、食器、接待、呼称が違えば味わいも大きく変わってしまうもので、同じものでも呼称が変われば、味は違うものである。
つまり松月を味わえるのはここ数年なのである。
絶滅してしまえば、二度と味わえることはない。全く同じものが復活したとしても、味わいにかけると感じてしまうと思われるものなのである。
今なら間に合います。是非皆様にも味わっていただきたい一品なのである。
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松月メモ
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東海圏内のうどんの種物。
汁は白汁。板海苔の上に卵を落としたもの。卵は白身が少し白くなる程度加熱、もしくは熱い出汁をかけ朧月夜って感じにするのが好ましい。
板海苔を松、卵を月に見立てたことが呼称の由来。かまぼこや青菜が入ることがあるが、東海では「かけ(素)」が無いことを考えると呼称に影響を及ぼしたとは考えにくい。花巻の卵入りという訳ではないので、海苔は板海苔が正式だと考えられる。
昭和初期には東海の多数の麺類食堂で提供されていた。卵の価値と共に格下げが続き、今や絶滅危惧メニュー。令和4年の東海でも「月見」という呼称が一般的。
松月食歴
愛知県
福田屋202101:刻み海苔、鶏肉、椎茸、花麩、ナルト
新海202011:四角海苔、かまぼこ、青菜、メニューに掲載なし
みやこ本店202010:四角海苔、青菜
みのや本店202010:刻み海苔、青菜、焼きかまぼこ、花麩
浅ひろ本店202010:三角海苔、青菜、かまぼこ、メニューに松月(月見)と記載
新角屋202007:三角海苔、青菜、メニューに掲載なし
山田屋202005:四角海苔、青菜
岩正202005:刻み海苔、青菜、かまぼこ
かどふく本店201806:四角海苔、青菜、かまぼこ、花麩、椎茸
いせ徳202105:四角板海苔(刻みねぎ別皿)
やなぎや本店202106:小さい四角海苔、かまぼこ、青菜
三重県
よしむら屋202203:四角板海苔、青菜(刻みねぎ別皿)
未訪問店
メニュー掲載
初味屋(名古屋市南区大磯通):板海苔
きくのや(名古屋市緑区曽根):刻み海苔、かまぼこ、花麩、椎茸
月見表記orメニュー非掲載
釜揚きしめん一八(名古屋市南区大江):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
三浦屋(名古屋市東区出来町):板海苔、青菜、朱色蒲鉾
岐阜、三重にメニュー掲載で提供するお店あり。
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そんな訳で松月に狙いを定めてお邪魔したよしむら屋さん。
車とgooglemapを駆使してたどり着きました。
車で行くなら桑名市益世小学校北門の前に駐車場があるので、そちらを目指した方がよろしいかと思われます。
駐車場に車を停めて、お店を目指せば、これもんの景色が見られまして、この時点で旨い松月が食えるな!って気になるのはアタクシだけでしょうか!?
店構えが既に旨そうですな。
白抜きの関西風暖簾。
風が強い日だったので、こんな画像ですいません。また確認しに来なきゃいけませんな。
もっともこの手のお店は暖簾をいくつか持っていたりするので、何度も来なきゃ分からないこともあるんですが…。
店内テーブルのみ。
2名で入店とは言っても、2歳児なもので、1.5名ってなもんで入店。
壁に面する二名用のテーブル!?カウンター!?のベストポジションを確保いたしました。
お姉さんがお茶とおしぼりを持ってきてくれたタイミングで「松月ください。」っと注文。お姉さんは何の不思議もなく厨房に「松月イチ」っとオーダーを通してくれました。
実はアタクシのなかで、このやり取りはかなり重要なんですね。
松月ってのは、”うどん”の種物でして、台はそばやきしめんではないんです。
松月と言って、麺の種類を聞かれては味わいにかけてしまう気がするヤヤコシイ性格なもので、すいません…。
先走りして注文を済ませておりますので、改めてメニューを読み解く。
メニューは書物であり、文献である。
令和4年3月現在三重県は蔓延防止法適用化であり、こちらのお店でもアルコールの提供を中止していたので出来ませんでしたが、これは一杯飲みながらじっくり見たいメニューですな!マンボウが出てなかったら、運転手(奥さん)を呼ぶのは必須ですな!
このメニューの面白さがアタクシの拙い知識と文章力で解説できるかどうか心配であるが、頑張りますと。
最初に記された「並うどん」は、東海圏内の麺文化には素またはかけの文化は無かったと思われるので、恐らく青菜や油揚げかまぼこあたりが載せられたうどんであると予想される。一度味合わなければならない一品だろう。
二つ目に現れた「しっぽく」は「おかめ」と比較して成立するものだろう。おかめは由来は具で女性の顔を模ったものであり、しっぽくはおかめと同様な具が載せられている。恐らく違いは出汁である。おかめが赤出汁(醤油)、しっぽくが白出汁じゃないかと予想される。
「たぬき」があって、「きつね」がないってことは、たぬきには揚げ玉に油揚げが載せられてるだろうし、絶滅危惧メニューの「ゆつき」まである。
こんなことを考えならグラスを傾けるのがアタクシの趣味なんですな。
さて裏面に移りまして、「志の田」があって、「木の葉」がないのは寂しい処ではあるが、かつ丼はカツ煮なのか、溶き卵をかけたものなのか、「肉丼」の肉が豚か牛かも気になる所。天中華もお好きな方には堪らないメニューでしょうな!?
ジュースって表記も今や絶滅危惧ですかな!?
壁に貼られた短冊メニューにも気になるものがたくさんあって、頂く前から再訪必須ですな。
こちらの看板メニュー「ちょっとした昼ごはん」も味わなきゃいけない一品でしょうし、鴨焼きで一杯なんかこの世に生まれてきたからには味合わなければならない一品じゃないでしょうか?っと興奮して訳の分からないことを考えたりもする。
みそラーメンも「赤味噌」か「白味噌」か知りたいところですな!東海県内のみそラーメンにもストーリーがあったんですが…、ほぼextinctしてしまいまして…、ここでは語りつくせません…。
さらにみにシリーズがあったり、定食があったり、近くにあったら通ってしまうお店ですな。
夏季限定の冷やしシリーズありまして、年間通じて来なきゃならないお店ってことになりますな!
さらにさらに定食があるってことは、好みの麺を定食にできるってことで、生涯通わなきゃいけないお店ってことになりますな!!
そんなことを考えているうちに提供される松月。
関西系の青い刻み葱は別皿。蓮華も一緒に提供され、お店のホスピタリティーがよく分かる。
白出汁に板海苔を浮かべ、卵を落とし、青菜も乗った、「これが松月!」ってな面持ち。しびれますなぁ~。
正直機械打ちか手打ちかなんてどうでもいいアタクシですが、しっかりした麺ですね。
昔ながらの大鍋でゆでておりました。
白出汁を啜り「嗚呼旨い!」、麺を一箸二箸手繰って「嗚呼旨い!」、海苔を箸で切り分けうどんと共に味わい「嗚呼旨い!」、青菜をつまんで「嗚呼旨い!」、卵を崩し麺に絡めて「嗚呼旨い!」、黄身が合わさった白出汁を啜り「嗚呼旨い!」、丼を口に添え朧月夜の雲を飲み下し「嗚呼旨い!」。
中華そばもういっちょ!みに志の太丼つけて!!っと言うのを堪えさせたのは、隣に座る娘の存在である…。
まだ2歳なものでジュースは禁止されているので飲ませられませんでしたが、来年あたりならジュースを飲ませられるかな!?
桑名麺類組合で決められたお休みは木曜日なんですな。木彫りの大入り看板と共に昭和遺産として残しておきたい調度品です。
よしむら屋
0594231094
三重県桑名市三ツ矢橋61
営業:11:00~終売まで
定休:木
コメント
hal9000seさん、こんにちは。
>この時点で旨い松月が食えるな!
いやホント、この佇まいがそそりますよね、こちらは。
こちらに木の葉が無いっていうのは自分が行った時には気付きませんでしたが、進取の気風って
いうのがあるようで(「つけぶた」「つけうし」とか)、古い品ばかりでなく枯れていないのが
素晴らしいですよね。
>近くにあったら通ってしまうお店
>年間通じて来なきゃならないお店
>生涯通わなきゃいけないお店
こういう店が自分ちの近所に欲しい!!
>「ちょっとしたお昼ごはん」」
平日限定なので自分は絶対にありつけそうにありません。是非どんな品か教えて下さいね。
ハリーさん、おはようございます。
いやぁ~、このお店の佇まいだけで一杯飲めそうですよね。ここまでのお店はなかなか見つけられません。
木の葉の代わりがきのとじかもしれませんね。
ちょっとしたお昼ごはんは、日替わりランチのような物みたいですね。
アタクシも通うには厳しい立地条件ですし、他にも確認したいものがたくさんありまして…。
ここは大家族のメリットを最大限にいかしてみようかと思ている次第であります。
コメントありがとうございます!